2014年02月19日

角隠し

角隠しと言えば…
日本の花嫁衣装の文金高島田に正絹の白い布を巻いたものですが…
先日、朝ドラごちそうさんにて、杏ちゃん演じるめ以子の
婚礼の場面がお勉強になる事がたくさん出ていたので
今時は、家で婚礼を執り行う事もないと思われるので
少し書き残しておきましょう…


角隠しその昔の婚礼衣装は、
黒の振袖が主流だったのです。
黒の振袖を着て、婚礼後
袖を切って留袖にして
未婚者から既婚者としての
衣装替えをしたわけです。
角隠しには、紅色の裏を
付ける所もありまして…
角隠しひとつでも奥が深いのです。

黒の振袖は、おもに、披露宴のお色直しに用いますが、
昔の婚礼、祝言は、朝から晩まで、時間をかけていたため
何度もお色直しをができました…が…今時は、会場で、
時間も限られているので、そう沢山は、お色直しができないのが実情です。

白無垢の場合、角隠しが、綿帽子になる事もあります。
お顔の小さい方は、角隠し…
大きめの方は、綿帽子がよろしいかと思います。

角隠しさて、角隠しの話はおしまい
気になったのが…裄!
このお二人は、背が高くて
裄ももちろん長くなるので
着物が、つんつるてん…

着物の反物の幅が、
どうしても昔企画ですと、
普通につんつるてんになります。
振袖の場合は、型から染めても幅には、限界があるのです。

・・・あれ?ご主人様のは、たっぷり裄ができていますね…

角隠し…私は、
見逃しませんでした・・・
190センチ近い
御主人役の方の裄には、
裄わり・・・と言って、
足し布がされています。
まるで、お相撲さん並の裄わりです。日本人も大きくなりましたね…


それで…この風景は、なんとも言えぬ・・・古き良き時代の日本の風景・・・
だと思うのです。
婚礼自体が、家と家との結びつきが重要で、今時の方々には、
堅苦しく思われるのかも知れませんが・・・
それが当たり前の時代です。
沖縄の言葉で婚礼を『二ービチ』と言いますが、
直訳すると、根引き・・・各家の根を引いて新しい家庭を築く・・・
と言う意味があると、年寄りから聴いた事があります。

角隠し角隠し








角隠し角隠して…尻隠さず?
笑ってはいけません・・・
公認で、子つくりの営みが
できると言う事なのです。
お嫁入り道具の中に
あの長襦袢もあるに
違いありません…
はい・・・その話は、そこまでねハート


角隠しなんと…
風情の良い事でいょう
少女の頃にこの様な
風景を目にしたら
憧れますね…

・・・勝手にさだまさしさんの『秋桜』と言う曲を思い浮かべました。
お嫁入り前の娘心と母心を歌った曲ですが…
『もう少し、あなたの子供でいさせてください』ってところは、
いいですね・・・
みんな誰かの子どもだけれど・・・いつか旅立ち…その子もまた
家族を持ち・・・根引いて、根引いてどんどん増えて行く…
元はひとつの私達…二ービチの時は、素直にそう思えます。
おめでとうございます。末永くお幸せに!

角は、いつか出しても大丈夫になれる・・・でしょう
『どんな君でも愛している…』と、言っているのだから・・・









Posted by 青山めぐりAOYAMAMEGURI at 00:22